みなさんは「学校感染症」という言葉を聞いたことがありますか?
学校保健安全法施行規則という法律には「学校において予防すべき感染症」が下記の表のように定められています。以前は学校伝染病と呼ばれていましたが、関係する法律の改正に伴い「伝染病」から「感染症」に名称が変わりました。
学校という限られた空間あるいは集団の中で麻疹(はしか)やインフルエンザなどの感染症が発生した時、被害を最小限に食い止めるために、流行の拡大を防ぐことが非常に重要です。感染症では、ウィルスや細菌などの病原体が体に入ってから症状が現れるまでの「潜伏期間」があり、この期間に知らないうちに他人にうつしてしまう危険があるのですが、これを防ぐことは容易ではありません。しかし、発病してからは、自分が感染症にかかっていることが分かっているのですから、他人と接触しないことにより、新たな感染を防ぐことができます。つまり、感染症にかかったことが分かったら、最初にすることは、学校に来るのを止めることです。感染症にかかった生徒が学校で他の生徒にうつすことがないように、その生徒は決められた期間「出席停止」になります。学校感染症による出席停止の日数は「出席すべき日数」に数えられず、「欠席」の扱いにはなりません。
大学生が学校感染症にかかった場合も、この出席停止の対象になるはずなのですが、実際には、本学も含めて多くの大学で、この適用があいまいにされていました。そのため、発熱や咳があるにもかかわらず「欠席扱いにされたくないから。」といって登校して来る学生が、決して少なくありませんでした。感染症にかかった学生が登校して来ると、他の学生に病気をうつし学内に流行させることになり、こうした学生が何人もいれば、流行がどんどん拡大してしまいます。そこで本学では、昨年秋からのインフルエンザの流行を機に、「学校感染症による出席停止期間は欠席扱いにならない」ことを改めて共通認識とし、全学的なルールとして実行することを決めました。
インフルエンザその他の学校感染症にかかった場合、決められた出席停止期間は決して登校してはいけません。受診した医療機関あるいは保健管理センターで「登校許可証明書」(大学ホームページ、教育情報システムからダウンロード可)に記載してもらい、大学の事務(教務課または学務グループ)に提出すれば、証明された療養期間の授業は欠席扱いにされることはありません。他人にうつす心配がなくなってから、登校を再開して下さい。
当然のことですが、感染流行の拡大の防止が重要なのは、大学の中だけではありません。出席停止中は医療機関の受診以外は外出をひかえ、他人にうつさないようにして下さい。今後、さらに強毒性の新型インフルエンザが発生するかもしれませんが、そうした場合でも、一人一人が「流行の拡大の防止」に努めることが、社会全体の被害を最小限に食い止めることにつながるのです。
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